東電前アクション!
最近ハマっている動画配信サイトで、原発反対集会等の実況なども、時折流されています。
昨日は、たまたま「東電前アクション!」という抗議集会を夕方からやっていて、いつものように東電の会見を見ようと思ってサイトを開いた流れで、その集会の様子を流しているのを見ました。
この時、出先でネットをしていて、この後、東電本店の最寄り駅を通って帰宅する予定だったのです。
「どうせ駅を通り過ぎるなら、途中下車してどんな様子か見に行ってみようかな」と、ふと思ったのです。
ネットで見てるだけっていうのは、ネット上で動画見ながら「おぉ、青年頑張ってるな」などと人ごとのように(エールを送りつつも)チャットしているような人たちと一緒なんだよだなぁ。
本当に他人事のように見ているだけで、いいのかなぁ・・・。
そんなことを思ったので、行ってみることにしました。
もうすでに、結構な数の人だかり。写真の右側のすらっとしたビルが、東電本店。
道路を挟んで向かい側の信号のところに、抗議集会の幹部やお手伝いの人たち、ネット等で集会の事を知ったらしき人たちや、近辺に勤めていてたまたま足を止めたらしきサラリーマン風の方々等・・・
様々な人たちが集まっていました。
道行く人々に、こんなチラシを配っていました。
「東電前アクション!」
東電本店には、東電社員・幹部が連日詰めている。
そして、東電の記者会見を取材する為に、各マスコミも本店内に集まっている。
そうした場所で行動を起こし、国民の意思表示をしよう! という趣旨のよう。
他にも、今回の原発事故だけに限らず、それ以前から反原発の運動をしていたと思われるような人たちが、様々なチラシで集会や上映会等のお知らせを手渡していました。
現場では、ちょうど抗議集会の幹部が東電の人と電話でやり取りをしていて、申入書を東電側に渡すのに「5人までしか中に入れる事は出来ない」と言われて、「向こうに勝手に5人などと人数の制限を加えられるのは納得できない」とさらに交渉を進めようもするも電話を切られてしまう、といったような事が繰り広げられている最中でした。
それが一段落(というか一旦交渉決裂)すると、「原発を、止めろー」「止めろー」みたいな掛け声が始まったのですが、すぐ終わったので、集まりの中心部に加わってみることにしました。
辺りが暗くなると、いつの間にか結構な人だかりになっていました。最終的には200人くらい集まったのでしょうか。
幹部の方が「何かお話したい方は、ぜひどうぞ」と促し、皆の前で主張したいという人が次々に拡声器を使って、東電への思い、原発に対する思いなどを訴えていました。
集まっている人たちは、冷静に皆の話を聞いて拍手するだけ、という私のような人もかなりいたけれど、それぞれに熱い気持ちを持ったたくさんの人たちが様々な主張をしていました。
いろんな人がいたけれど、「難しい事はよくわかんないけどさ、でも、俺たちが笑って過ごせる日本にしたいよな。命の危険にさらされた日常なんて嫌だよ」っていう主張(と私は解釈しました)をヒップホップ調の歌に乗せた男性の主張が、一番正直で率直な思いだよなぁと感じ、私は一番共感できました。
全体的には「原発反対!」「原発は全部なくせ!!」みたいな主張が多かったので、原発云々というよりも原発事故に対する初動の悪さや隠蔽体質、グダグダな毎日の記者会見等、企業としての東電のスタンスに反対!という私の考えとはややギャップを感じました。
だから、過去の原発事故の被害者の方が出ていらして「DVD販売してます」などと話された時は「えぇー! それ宣伝!?」と思ったりもしましたが(申し訳ないがそういう風にしか見えませんでした)、今回の事故で都内に避難して来たという福島の方がいて、その方の主張は、決して話すのが上手な人の言い回しではなかったけれど、切実な状況と、それを見ない振りをしようとする福島県民の様子が目に浮かび、しみじみ考えてしまいました。
歌を通して主張された方も多くて、ギターかき鳴らす女性とか、ヒップホップの人、アイヌの楽器を演奏しながら歌う人等々・・・。
中でも、最前で車椅子でじっと座っていたお年を召した女性が、マイク持った途端突然張りのある声で歌い出したりしたのには、びっくりしました。
とにかくアーティスト系に関しては、自分の主催イベントでは見ないような人材が集まっていて、宝庫でした。
集会の常連になりつつあるような人々は、場慣れしてるせいもあるのか、自分たちが引っ張っていくんだみたいな気持ちがあるのか、感情が高ぶってくると、結構汚い言葉で叫んだり警察を罵ったりとかしてしまうのですが、それがかえって逆効果になっているんじゃないかなぁと思える瞬間もあったりして、こういった抗議集会を主催(運営)するのも大変なんだなぁ・・・としみじみ思ってしまいました。
そういう瞬間でも、幹部の人たちは「ちょっと黙って」とか、絶対に言わないんですよね。
「あなたたち(警察)が挑発するから、こういう態度を取ってしまうんじゃないですか!」と、相手のせいにして仲間をかばう。
「皆さん、自分の主張を」って一方では言っておきながら、「ちょっと黙って」とか「それはまずい」とか言ってしまうと、たぶん仲間割れ起こすんでしょうね。「なんだよ、自由に主張していいって言ったくせに、結局一部の運営の主張しか通んねぇのかよ」みたいな。
最後、締める所は幹部が締めるけど、結論を勝手に決めたりしないし、幹部が仕切った方が手っ取り早いし賢いよと思う場面でも、「皆さん、どうですか? どう思いますか?」と皆に意見を求める。
いや〜、抗議集会って難しいね。私には絶対仕切れない。
こうやって見てると、抗議集会の中心人物たちって、本当に常に冷静だし、頭の回転が速くてクレバー。
あと、たぶん中心人物の人たちって、基本的には反原発のスタンスだろうけど、ただやみくもに「原発なくせ!」「原発いらない!」とかじゃなくて、やっぱり私と同様に、今回の事故後の東電の対応や企業スタンスが許せないという気持ちの方が強いんじゃないかなぁと個人的には感じたので、その点でも今回の集まりには共感が持てました。
「反原発アクション!」ではなく「東電前アクション!」なのは、その表れではないかと勝手に思っています。
あちこちでやっている反原発デモとかに参加する気にはあまりなれないのですが、「東電前」だったら、頭数1つ増やすくらいしか私にはできないですが、力になれるかな? と思った次第です。
ただ座って拍手してるだけでもね、人が集まるっていうことそのものが、いずれ大きな力になっていくのだと思うんです。
別にデモとか抗議集会じゃなくても、お祭りとか催しとか、ライブなんかも。みんなそうだよね。
こちらは「Omnibus Live」主宰「けろ」の私的ブログです。
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昨日は、たまたま「東電前アクション!」という抗議集会を夕方からやっていて、いつものように東電の会見を見ようと思ってサイトを開いた流れで、その集会の様子を流しているのを見ました。
この時、出先でネットをしていて、この後、東電本店の最寄り駅を通って帰宅する予定だったのです。
「どうせ駅を通り過ぎるなら、途中下車してどんな様子か見に行ってみようかな」と、ふと思ったのです。
ネットで見てるだけっていうのは、ネット上で動画見ながら「おぉ、青年頑張ってるな」などと人ごとのように(エールを送りつつも)チャットしているような人たちと一緒なんだよだなぁ。
本当に他人事のように見ているだけで、いいのかなぁ・・・。
そんなことを思ったので、行ってみることにしました。
もうすでに、結構な数の人だかり。写真の右側のすらっとしたビルが、東電本店。
道路を挟んで向かい側の信号のところに、抗議集会の幹部やお手伝いの人たち、ネット等で集会の事を知ったらしき人たちや、近辺に勤めていてたまたま足を止めたらしきサラリーマン風の方々等・・・
様々な人たちが集まっていました。
道行く人々に、こんなチラシを配っていました。
「東電前アクション!」
東電本店には、東電社員・幹部が連日詰めている。
そして、東電の記者会見を取材する為に、各マスコミも本店内に集まっている。
そうした場所で行動を起こし、国民の意思表示をしよう! という趣旨のよう。
他にも、今回の原発事故だけに限らず、それ以前から反原発の運動をしていたと思われるような人たちが、様々なチラシで集会や上映会等のお知らせを手渡していました。
現場では、ちょうど抗議集会の幹部が東電の人と電話でやり取りをしていて、申入書を東電側に渡すのに「5人までしか中に入れる事は出来ない」と言われて、「向こうに勝手に5人などと人数の制限を加えられるのは納得できない」とさらに交渉を進めようもするも電話を切られてしまう、といったような事が繰り広げられている最中でした。
それが一段落(というか一旦交渉決裂)すると、「原発を、止めろー」「止めろー」みたいな掛け声が始まったのですが、すぐ終わったので、集まりの中心部に加わってみることにしました。
辺りが暗くなると、いつの間にか結構な人だかりになっていました。最終的には200人くらい集まったのでしょうか。
幹部の方が「何かお話したい方は、ぜひどうぞ」と促し、皆の前で主張したいという人が次々に拡声器を使って、東電への思い、原発に対する思いなどを訴えていました。
集まっている人たちは、冷静に皆の話を聞いて拍手するだけ、という私のような人もかなりいたけれど、それぞれに熱い気持ちを持ったたくさんの人たちが様々な主張をしていました。
いろんな人がいたけれど、「難しい事はよくわかんないけどさ、でも、俺たちが笑って過ごせる日本にしたいよな。命の危険にさらされた日常なんて嫌だよ」っていう主張(と私は解釈しました)をヒップホップ調の歌に乗せた男性の主張が、一番正直で率直な思いだよなぁと感じ、私は一番共感できました。
全体的には「原発反対!」「原発は全部なくせ!!」みたいな主張が多かったので、原発云々というよりも原発事故に対する初動の悪さや隠蔽体質、グダグダな毎日の記者会見等、企業としての東電のスタンスに反対!という私の考えとはややギャップを感じました。
だから、過去の原発事故の被害者の方が出ていらして「DVD販売してます」などと話された時は「えぇー! それ宣伝!?」と思ったりもしましたが(申し訳ないがそういう風にしか見えませんでした)、今回の事故で都内に避難して来たという福島の方がいて、その方の主張は、決して話すのが上手な人の言い回しではなかったけれど、切実な状況と、それを見ない振りをしようとする福島県民の様子が目に浮かび、しみじみ考えてしまいました。
歌を通して主張された方も多くて、ギターかき鳴らす女性とか、ヒップホップの人、アイヌの楽器を演奏しながら歌う人等々・・・。
中でも、最前で車椅子でじっと座っていたお年を召した女性が、マイク持った途端突然張りのある声で歌い出したりしたのには、びっくりしました。
とにかくアーティスト系に関しては、自分の主催イベントでは見ないような人材が集まっていて、宝庫でした。
集会の常連になりつつあるような人々は、場慣れしてるせいもあるのか、自分たちが引っ張っていくんだみたいな気持ちがあるのか、感情が高ぶってくると、結構汚い言葉で叫んだり警察を罵ったりとかしてしまうのですが、それがかえって逆効果になっているんじゃないかなぁと思える瞬間もあったりして、こういった抗議集会を主催(運営)するのも大変なんだなぁ・・・としみじみ思ってしまいました。
そういう瞬間でも、幹部の人たちは「ちょっと黙って」とか、絶対に言わないんですよね。
「あなたたち(警察)が挑発するから、こういう態度を取ってしまうんじゃないですか!」と、相手のせいにして仲間をかばう。
「皆さん、自分の主張を」って一方では言っておきながら、「ちょっと黙って」とか「それはまずい」とか言ってしまうと、たぶん仲間割れ起こすんでしょうね。「なんだよ、自由に主張していいって言ったくせに、結局一部の運営の主張しか通んねぇのかよ」みたいな。
最後、締める所は幹部が締めるけど、結論を勝手に決めたりしないし、幹部が仕切った方が手っ取り早いし賢いよと思う場面でも、「皆さん、どうですか? どう思いますか?」と皆に意見を求める。
いや〜、抗議集会って難しいね。私には絶対仕切れない。
こうやって見てると、抗議集会の中心人物たちって、本当に常に冷静だし、頭の回転が速くてクレバー。
あと、たぶん中心人物の人たちって、基本的には反原発のスタンスだろうけど、ただやみくもに「原発なくせ!」「原発いらない!」とかじゃなくて、やっぱり私と同様に、今回の事故後の東電の対応や企業スタンスが許せないという気持ちの方が強いんじゃないかなぁと個人的には感じたので、その点でも今回の集まりには共感が持てました。
「反原発アクション!」ではなく「東電前アクション!」なのは、その表れではないかと勝手に思っています。
あちこちでやっている反原発デモとかに参加する気にはあまりなれないのですが、「東電前」だったら、頭数1つ増やすくらいしか私にはできないですが、力になれるかな? と思った次第です。
ただ座って拍手してるだけでもね、人が集まるっていうことそのものが、いずれ大きな力になっていくのだと思うんです。
別にデモとか抗議集会じゃなくても、お祭りとか催しとか、ライブなんかも。みんなそうだよね。
こちらは「Omnibus Live」主宰「けろ」の私的ブログです。
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by come_on_tadpoles
| 2011-04-09 01:53
| 生活